1. エンジンオイルの沼にようこそ!なぜこんなに規格が多いのか?
「エンジンオイルの交換をしようとお店に行ったら、聞いたこともないアルファベットがズラリ…。」 「API、ILSAC、ACEA…なにこれ、難しすぎるだろ!」
初めてエンジンオイルを選ぶとき、あまりの規格の多さに頭を抱えた経験、ありませんか?私も初めてオイル選びをしたとき、「なんでこんなに規格があるんだ?」と腹が立ちました(笑)。正直、利権とか絡んでるんじゃないか…なんて勘ぐりたくなりますよね。
でも安心してください。この記事では、そんな複雑なエンジンオイルの規格を、**「何を重視すればいいのか?」**という視点で分かりやすく解説します。規格の沼にハマるのではなく、賢く、そして楽しくオイルを選ぶためのヒントをお伝えします。
2. エンジンオイル選びの最重要ポイントは「粘度」
エンジンオイルを選ぶ際に、最も重要視すべきなのは「粘度(SAE)」です。難しそうな記号が並んでいますが、これはエンジンの種類や、あなたの車の乗り方に大きく関わる部分です。
- 「5W-30」ってどういう意味?
- 5W: 前半の数字は、低温での粘度を表します。数字が小さいほど、寒冷地でもエンジンがスムーズに始動します。
- 30: 後半の数字は、高温での粘度を表します。数字が大きいほど、エンジンの高温時でも油膜をしっかり保ち、エンジンを保護します。
- あなたの車に合った粘度を選ぼう
- 取扱説明書を確認: まずは、車の取扱説明書に記載されている推奨粘度を確認してください。これが基本です。
- 車の乗り方で判断:
- 街乗り・短距離が多い: 「0W-20」など、低粘度オイルは燃費が良くなります。
- 高速走行・スポーツ走行が多い: 「5W-40」など、高粘度オイルはエンジンの保護性能が高くなります。
粘度はエンジンの性能に直接影響するため、ここは取扱説明書の推奨範囲から大きく外れないように選びましょう。
3. API・ILSAC・ACEA…結局は「性能」の目安
粘度を選んだら、次に気になるのがAPIやILSACといった規格です。これらは「エンジンオイルの性能」を表すものです。簡単に言うと、新しい規格ほど高性能ということになります。
API(米国石油協会)
- ガソリン車用は「S」(Service)から始まり、SA, SB, SC…SN, SPとアルファベット順に進みます。
- 一番新しいのは「SP」で、低速早期着火(LSPI)防止性能が加わるなど、最新のエンジンに対応しています。
ILSAC(日米共同規格)
- 省燃費性能を重視した規格で、「GF-1, GF-2…GF-5, GF-6」と数字が大きくなるほど省燃費性能が高まります。
- APIとセットで表記されることが多く、「API SP / ILSAC GF-6」のように記載されます。
ACEA(欧州自動車工業会)
- ヨーロッパ車向けに独自の厳しい基準を設けている規格です。「A/B」はガソリン・ディーゼル車用、「C」は排ガス後処理装置対応、「E」は大型ディーゼル車用など、細かく分類されています。
カズローガレージ的アドバイス: 難しく考える必要はありません。ほとんどの国産車であれば、「API SP」や「ILSAC GF-6」と書かれたオイルを選んでおけばOKです。新しい規格のオイルは、古い規格のオイルの性能も満たしているため、安心して使うことができます。
4. 賢いオイル選びは「頻度」と「価格」のバランス
エンジンオイル選びは、何も「最高級品」を選ぶのが正解ではありません。
- 性能の良いオイルを長く使う:
- メリット: オイル交換の手間が減る。
- デメリット: 1回の費用が高くなる。
- 安価なオイルをこまめに交換する:
- メリット: 1回の費用が安い。エンジンのコンディションを常に良い状態に保てる。
- デメリット: 交換頻度が多くなり、手間がかかる。
どちらを選ぶかは、あなたのお財布とライフスタイルによって変わります。
DIYでオイル交換をするなら: 「私は頻繁に交換するから、一番は粘度を大切にして、あとはお財布との相談でいいかな」という考え方は大正解です。こまめにオイルを交換することで、エンジンのコンディションを良好に保つことができます。
5. まとめ:結局、オイル選びで迷ったらこれを選べ!
エンジンオイル選びは、確かに規格が多くて複雑です。しかし、以下の3つのポイントを押さえておけば、間違った選択をすることはありません。
- 粘度: あなたの車の取扱説明書に記載されている粘度を最優先で選ぶ。
- 性能: **「API SP」や「ILSAC GF-6」**といった最新の規格のものを選ぶ。
- 価格と頻度: 1回の費用を抑えてこまめに交換するか、少し高価でも性能の良いものを長く使うか、あなたのスタイルに合わせて決める。
この記事が、あなたのエンジンオイル選びの手助けになれば幸いです。あとは、あなたの愛車と、あなた自身のフィーリングに合ったオイルを見つけるだけです。素敵なカーライフを!
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