1. 夏のドライブに潜む「オーバーヒート」の恐怖
「あれ?エンジンから煙が出てる…」 「水温計の針がいつもより高い位置にあるな…」
夏場のドライブで、こんな経験をしたことはありませんか?これは、エンジンが熱くなりすぎる”オーバーヒート”のサインかもしれません。オーバーヒートはエンジンの重大な故障につながり、最悪の場合、車が動かなくなることもあります。
このトラブルを防ぐために欠かせないのが、エンジンを冷やす役割を持つ”冷却水”(LLC: ロングライフクーラント)の点検と補充です。この記事では、初心者でも簡単にできる冷却水の点検・補充方法を、写真付きで分かりやすく解説します。
2. なぜ冷却水の点検が必要?その役割と仕組み
エンジンはガソリンを燃焼させて動くため、非常に高温になります。この熱を適切に冷やさなければ、エンジンは焼き付いてしまいます。冷却水は、この熱を吸収し、ラジエーターという部品に送って冷やす役割を担っています。
冷却水の3つの役割
- 冷却作用: エンジン内部の熱を吸収し、エンジンを適切な温度に保ちます。
- 凍結防止作用: 冬場に冷却水が凍ってエンジンを破損させないようにします。
- 防錆作用: エンジン内部の金属部品が錆びるのを防ぎます。
冷却水は走行するうちに少しずつ減ったり、劣化したりします。量が不足したり、性能が落ちたりすると、エンジンを十分に冷やすことができなくなり、オーバーヒートの原因となります。
3. 【簡単3ステップ】冷却水の点検方法
冷却水の点検は、たったの3ステップで完了します。
ステップ1:エンジンを冷やす
- 必ず、”エンジンが完全に冷えている”状態で点検してください。
- 走行直後は冷却水が熱湯になっているため、ラジエーターキャップを開けると吹き出し、大火傷をする危険があります。
- 最低でもエンジンを止めてから1時間以上は待ちましょう。
ステップ2:リザーバータンクを確認する
- エンジンルーム内にある”リザーバータンク”を探します。透明なプラスチック製のタンクで、通常は”COOLANT”や”LLC”と書かれています。
- タンクの側面にある”MAX”(または”FULL”)と”MIN”(または”LOW”)の間に冷却水が入っているかを確認します。
- 冷却水の色は、緑色やピンク色が一般的です。
ステップ3:ラジエーターキャップを確認する
- タンクの量が適正範囲にあればOKですが、念のためラジエーターキャップも確認します。
- キャップを外し、内部に冷却水が満たされているか、そしてキャップのゴム部分にひび割れや劣化がないかをチェックします。
4. 冷却水の補充方法と注意点
点検の結果、リザーバータンクの”MIN”を下回っていた場合は、冷却水を補充します。
補充に必要なもの
- 補充用の冷却水: 自動車用品店などで入手できます。
- ジョッキや漏斗: こぼさずに注ぐために使います。
補充の手順
- 適切な冷却水を選ぶ:
- 冷却水には「原液タイプ」と「希釈済みタイプ」があります。
- 希釈済みタイプは、そのまま使用できるため、補充にはこちらが便利です。
- 希釈タイプを使用する場合は、メーカー指定の割合で、必ず水道水ではなく”蒸留水”で薄めてください。水道水はミネラルが含まれており、エンジン内部の錆の原因となることがあります。
- リザーバータンクに注ぐ:
- リザーバータンクのキャップを開け、”MAX”の線までゆっくりと冷却水を注ぎます。
- キャップをしっかり閉める:
- 注ぎ終わったら、キャップをカチッと音がするまでしっかりと閉めてください。キャップが緩いと、冷却水が漏れたり、エンジンがオーバーヒートしたりする原因になります。
5. こんな時はプロに相談!
冷却水の点検・補充は簡単ですが、以下のような場合は専門家に見てもらいましょう。
- 冷却水の量が頻繁に減る: 冷却系統から水漏れしている可能性があります。
- リザーバータンクに異物が浮いている: オイルが混入している可能性があり、エンジンの重大なトラブルの兆候かもしれません。
- 冷却水の色が異常に濁っている: 冷却水の性能が著しく低下している可能性があります。
6. まとめ:冷却水チェックで、安心・安全な夏を!
冷却水の点検と補充は、夏のドライブを安全に楽しむための最も基本的なメンテナンスです。
- 点検: エンジンが冷えている時に、”リザーバータンク”の液量を確認。
- 補充: “MAX”の線まで、希釈済みの冷却水か、蒸留水で希釈した原液を注ぐ。
- 異常: 頻繁に減ったり、異物が混入していたりする場合は、すぐにプロに相談。
この簡単なチェックを習慣にして、今年の夏も快適なカーライフを送りましょう!
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