粘度の違いと車種別おすすめ早見表(用語解説・知識系)

✅この記事でわかること

  • 粘度表記の意味としくみ(5W-30など)
  • 粘度の違いによるエンジンへの影響
  • 各粘度のメリット・デメリット
  • 車種・使用環境別のおすすめ早見表
  • オイル選びの失敗例とリスク
  • 純正粘度を守る重要性と社外オイル活用法

🧪粘度って何?まずは数字の見方から解説

エンジンオイルの粘度表記は、たとえば**「5W-30」のように表されます。
これは
SAE規格**という世界的な基準で定められた「オイルのサラサラ度(硬さ)」を表す記号です。

🔍5W-30の「5W」とは?

  • 5W(Winter)=低温時の粘度(冬の始動性)を示します
    → 数字が小さいほど低温でも流れやすい(始動しやすい)

🔍「30」は何を意味する?

  • 高温時(100℃付近)での粘度の指標
    → 数字が大きいほど高温下でもオイルの粘度を保てる(エンジンを守る力が強い)

📊粘度ごとの性格比較表

粘度特徴使用環境の例
0W-16非常にサラサラ。最新の低燃費車向けハイブリッド、軽量エンジン
0W-20燃費と保護性能のバランス重視軽自動車、コンパクトカー
5W-30汎用性高く、やや保護寄り普通車全般、長距離通勤車
10W-30高温対応力が強い商用車、走行距離多め
10W-40粘度が高く、保護力大高回転・高負荷な走行、旧車
15W-50スポーツ走行・サーキット向けチューニング車、スポーツカー

💡“粘度を変える”とどうなるの?

⬆粘度を高くした場合(例:0W-20 → 10W-40)

  • エンジン保護力UP(高温時に強い)
  • だが、燃費は悪化傾向
  • 冬場は始動しづらくなる場合も

⬇粘度を低くした場合(例:10W-30 → 0W-20)

  • 始動性・燃費向上
  • だが、高温時の保護力が弱くなる可能性
  • 車種によってはエンジン負荷やオイル漏れの原因になる

🚘車種別|粘度おすすめ早見表【2024年式車種中心】

メーカー車種(代表例)純正推奨粘度(例)備考
トヨタヤリス/アクア0W-16ハイブリッド車/超低粘度
トヨタランドクルーザープラド(2.8L)5W-30 or 0W-30ディーゼル/耐熱性重視
ホンダN-WGN(JH2)0W-20軽ターボにも対応
日産ノート e-POWER0W-20発電専用エンジン搭載
スバルレヴォーグ(FA24)0W-30ターボ車/高回転
マツダデミオ(1.3L)0W-20街乗り中心に適応
三菱デリカD:5(ディーゼル)5W-30トルク重視・高温対応
スズキジムニー(JB64)5W-30過酷な使用前提(山道等)

※参考資料:各メーカー公式取扱説明書、整備マニュアル(2024年版)


🧭迷ったときの“選び方の3原則”

✅①純正指定粘度を守る

→ これが最も重要!理由は:

  • エンジンの設計に最適化されている
  • 保証条件にも関わる
  • 「燃費基準」「排ガス性能」にも影響する

✅②使用環境で微調整もアリ

  • 冬場に寒冷地(北海道など)→ 0W系を選ぶ
  • 夏場+山道や高速走行多め → 5W-30以上で保護性を確保

✅③古い車・高走行車には“少し硬め”を選ぶ

  • シール劣化によるオイル滲み・消費を抑えるために
    → 例:0W-20指定 → 5W-30へ変更

⚠️粘度選びを間違えるとどうなる?

失敗例起こること
低粘度を入れすぎたエンジン内部の摩耗、焼き付きリスク
高粘度すぎた始動不良、燃費悪化、油圧異常
季節を無視冬場に硬い粘度→エンジンかからない/夏に柔らかすぎ→オーバーヒート

🛢社外オイルでも粘度が合っていれば使える?

はい、基本的に使用可能です。ただし以下の条件を必ず確認してください。

  • ✅ SAE粘度が純正と同等または許容範囲内
  • ✅ API/ILSACの規格が「SN」「SP」「GF-6」などの最新世代であること
  • ✅ 合成油/部分合成油などのベースオイルの品質にも注目(粘度だけで選ばない)

例:Mobil1 0W-20 SP GF-6 → 高性能オイルとして定評あり


📚参考資料・データ出典一覧(明記用)

  • 各メーカー公式「取扱説明書」2024年版(トヨタ/ホンダ/日産ほか)
  • JXTGエネルギー(ENEOS)オイル適合表
  • Mobil1・Castrol・WAKO’S 各社製品カタログ
  • SAE International/API(米国石油協会)基準一覧
  • モーターファン別冊「エンジンオイル徹底ガイド」

✅まとめ|“粘度”を知るとオイル選びは怖くなくなる

エンジンオイルの粘度は、「車にとっての血液の濃さ」と言っても過言ではありません。
サラサラすぎてもダメ、ドロドロすぎてもエンジンが重くなる。

だからこそ――

「車種に合った粘度」+「季節や走行環境に合わせた判断」+「信頼できるオイルメーカー」
この3つを抑えるだけで、整備の安心感が格段に高まります。

Kazuro Garageでは、そんな“用語の壁”を越えるお手伝いをこれからもしていきます。


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